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教えられたこと [雑記]

 先日、上司に呼ばれて、今春で異動して東京の本社に戻ることになると告げられた。希望先は、まあ一応事前の調査で自分で書いたセクションだから、希望が通った形になるので、うれしいはずなんだが…なんだが、何となく少し寂しい気持ちがある。

 と言うのは、元の出身セクションを出て大阪に転勤になる時、上司から「しまうま君は片道切符だから。次に戻ってくるなら違う部署になるからそのつもりで」と言い渡され、その後、いろいろ会社側の事情もあって、その古巣に戻る選択もあったからだ。

 細かいことはさておき、選択肢としてはこんな感じA「このまま大阪残留を希望する」B「東京の古巣に戻してほしいと頼む」C「新しいセクションに行かせてもらう」-。

 Aの場合、居心地はいいだろう。支社でも年長の私は、たぶんちょっと楽なポジションを任されて、若手の指導係みたいなことをやって(今もそんな感じ)、今のペースで仕事ができるだろう。Bも経験があるから楽と言えば楽だし、今までの延長みたいな感じで、古巣だから周囲もそれなりに自分を立ててくれる部分もある。ただ、昔の上司に「片道切符」宣言をされてしまうくらいだから、いずれまたラインから外れるのだろう。また、そんなキツイ言葉で送り出されたのに、また戻してほしいと頼むのも自分の中では忸怩たる気持ちになる。
 Cの場合、また新しい人間関係の中に飛び込んで、慣れない仕事を初めから覚えることになる。これまで作った人脈や経験もあまり役に立たないだろう。だけど、自分がやったことのない新しい分野に挑戦することができる。

 まあ、はっきり言ってしまえば、長年過ごした古巣への愛着みたいなものもあるのかなぁ…。社内では、古巣の方が新しいセクションよりはっきり言って格付けが上でもある。そんな見栄みたいなものも古巣へのこだわりにあるのかもしれない。

 そんなうじうじした気分で、久しぶりに仕事先でお世話になった人のところを訪ねたら、偶然、その人も定年後の最初の再就職先を後任に席を空けるために退社すると決めたばかりで、再あっせんを頼んで、今春から仕事場が変わるとのことだった。
 私が自分のことを切り出す前にその人が話したのは、「今の場所にいれば、社員はみんな元の職場の後輩ばかりだし、再あっせんを頼んだ中にも元の職場と縁の深いところもあった。そこやったら楽やろなあ。でも、断ったんや。全然関係ないところを選んだ。きっと後悔すると思うねんなあ。この歳で新しい人間関係とか作るのしんどいし。でも、全然しらん会社やから、自分がどれだけできるのか試してみたいねん」と話していた。

 う~ん…定年後にしてこのガッツ。自分の話をしてみたら、「ええやん。選択、間違ってないと思うわ」と笑ってた。若い頃は転職でも転勤でも、何とも思わなかった。どこでも何とでもなりそうな根拠のない自信(?)みたいなものがあった。ちょっと心がさび付いてますかねえ。こんな時は…やっぱメタルかな?

  JEFF KOLLMAN.jpg Jeff Kollman 『Guitar Screams Live』

 デビューアルバムは結構衝撃的。久しぶりに名前見たな~と思ったら、トリオでボーカル入りのバンドをやってるみたいでした。このアルバムはインストもやってます、相変わらず馬鹿テクが炸裂でした。


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「ツナミ」で米本土を攻撃。『シミタール SL-2』 [小説・本]

 *小説のあらすじに触れてますので、未読の方は注意して下さい。

 本のレビューの方は久しぶりです。本を読んでないことはなかったんですけど、軍事サスペンスの新刊文庫本があまり出てなくて、久しぶりに読んだのがこれ。この作品は前に書いた『原潜バラクーダ奇襲』の続編にあたる作品のようです。

 前回、チタン製の船殻を持つシエラ級改「バラクーダ」とロシア製巡航ミサイル「グラニート」を使ってアメリカ本土の発電所やらのライフラインを破壊した英特殊部隊SAS出身のハマス司令官ラーヴィー・ラシュードが2隻目の「バラクーダ2」とグラニートを使って大暴れするんですが、今回の作品はストーリー的にはちょっと肩透かしでした。作品の「シミタール」は核弾頭搭載型のグラニートミサイルの劇中の作戦名です。

  シミタール.jpg 『シミタール SL-2』(角川文庫) 挿絵はめっちゃかっこいいですね。

 お話は…ラシュードはロシアから中国を介して買ったバラクーダ2と、北朝鮮から買った通常弾頭と核弾頭のグラニート巡航ミサイルを使い、カナリア諸島の活火山を核弾頭で攻撃、大規模な津波による米本土攻撃を計画。津波攻撃の前にアメリカ政府に通常弾頭攻撃による火山噴火テロを実行、実力を見せ付けた上で、津波攻撃を止める条件として中東の駐留米軍の完全撤退とパレスチナ国家のイスラエル承認を求める。
 一方、アメリカ側は軍事作戦に消極的な民主党大統領をNSA長官らが超法規的行動で降板させ、軍事作戦に理解のある副大統領を昇格させる。前例のない大規模な市民の避難計画を進め、巡航ミサイルに不可欠なGPS衛星の作動を停止させ、バラクーダ2を近海までおびき寄せる…てな感じです。

 今回もチタン船殻を持つ高性能原潜を第2の主人公にしているのに、手に汗握る水中戦とかはなし。その代わり、核弾頭を使った「メガツナミ」攻撃に備えて、米主要都市から市民や政府機関を避難させたり、軍幹部が民主党大統領をこき下ろしたり、無理やり辞めさせたりとかの冗長なくだりが続きます。
 GPSを切られて遠距離からの巡航ミサイル発射を封じられたバラクーダ2がカナリア諸島の近海まで接近せざるを得なくなり、接近してマニュアル照準でミサイルを発射するものの、あっけなく対潜ヘリに捕らえられるし、結末は結構あっさりしてます。

 前作では沈着冷静で無為な殺人を犯さなかった元SASのハマス司令官はターゲットの火山を視察している最中に引退した元NSA長官に写真を撮られるし、拉致したイギリスの火山学者を特殊部隊独特の殺人術で殺して分かりやすい証拠を残すし、準備万端で米国のフリゲート艦や対潜ヘリが待ち構える海域へ何百億というカネを払って(北朝鮮は2基の核弾頭を含むロシア製のコピーの巡航ミサイル一式を500億円で売る)手に入れた潜水艦と弾頭を送り込むしで、何だか荒っぽい話になってました。

 また、全体にNSA率いる軍が暴走しがちで、大統領は強引にクビにしちゃうし、ヨーロッパ運営のGPS衛星の動作停止に同意しなかったフランスを「衛星を撃墜するぞ」と脅かすし、超法規的に戒厳令を敷いてマスコミも管理下に置いちゃうし、実際にこんなことがあったら、もはや民主国家じゃなくなっちゃう。それでも最後はにっくきアラブ人テロリストからアメリカを守ったヒーローを称えてめでたしめでたしになってて、ちょっと辟易としてしまいます。

 途中で勝手に別のあらすじを考えてみたんですが、もし私が作者なら、核弾頭で火山を撃ち抜き、津波を使った攻撃をやるぞと見せかけて米海軍主力を陽動し、主要都市から一般市民を避難させた上で、手薄になった別の沿岸から主要都市のインフラを破壊するというお話にするかな。いたずらに人命を奪うことなくアメリカの政治・経済の中枢を叩き、国力を弱らせるのです。ドル安を誘って為替相場でインサイダー取引をやるという筋立てでもシブいかな。

 米国海軍が待ち受けている場所に高性能原潜で攻め込むんだから、潜水艦や水上艦との派手な戦闘シーンをもうちょっと読みたかったかなあ。

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映画 『戦場でワルツを』 [映画]

 *重要なネタバレ含みますので、未見の方は注意を。

 アカデミー外国語映画賞をあの『おくりびと』と争ったというイスラエルのアニメーション(というかドキュメンタリー映画という方が近い)『戦場でワルツを』見てきました。
 毎年のことですが、この映画をやってる映画館のある場所にはきれいな電飾のついたクリスマスツリーが。そんな華やいだ周囲の喧騒をよそに、久々に超ヘビー級の重い映画見てきました。これ、クリスマスのデートに彼女と一緒に見たら、クリスマス気分が消し飛びますので、ご注意下さい。

 ツリー.jpg (来年はよいことがありますように)

 映画のあらすじはアリ・フォルマン監督自身のイスラエルのレバノン侵攻従軍に伴う心の傷を再構成したものというか。冒頭、狂ったように路地を走る黒い不気味な犬が描かれます。路地を走り、ある男のアパートの前で群れながら吠え立てる黒い犬。狂ったような憎しみの目で男をにらみつける犬の姿は、レバノンの小さな村を襲撃する時に警報装置代わりに飼われていた犬を次々に撃ち殺した、男の罪の意識が描く悪夢だと分かります。
 小さなバーで酒を酌み交わすフォルマン監督と男が戦場の記憶について話をするんですが、不思議なことに監督には戦場での一部の記憶が抜け落ちている。そのことに気が付いた監督は次々に戦友を訪ね歩き、自分が見る不思議な夢の原因を探し始めます。夜空に輝く不気味な曳光弾。海岸に浮かんでいる男たちがやがてゆっくりと身を起こすと、軍服にそでを通し、自動小銃を手に取る。気が付くと、パレスチナ難民たちが何かを叫びながら自分の方へ押し寄せてくる…。たどり着いた悪夢の原因は…。

  戦場でワルツを.jpg (写真は映画館で売ってた映画専門紙『大阪映画サークル』。何だか懐かしい雰囲気なので買ってしまいました。公開作品のスケジュールとか載ってますよ。¥200)
  
 この映画、アニメ作品ではありますが、想像ですけど、インタビュー映像などは実際に人がしゃべってる映像を撮って、それをアニメーション化したんじゃないかという雰囲気です。戦闘シーンなんかもかなりリアルで、監督の記憶とか実際のニュースフィルムなんかを元に再構成しているんじゃないかなあ。
 ただ、それだけだとかなり退屈なものになると思うんですが、その合間にアニメでしかできないような幻想的なシーンが挟まります。印象的なのが、高層アパートと海岸線に挟まれた場所でゲリラ側の攻撃に完全に釘付けにされてしまった監督らの部隊が反撃に出る場面。部隊の中で一番戦闘慣れしている兵士が、機関銃を持って道路へ飛び出し、クラシックのBGMに合わせて、高層階から包囲しているゲリラ兵へ向かってワルツを舞うように機関銃を乱れ撃つ。そして、その激しい銃撃戦をアパートの高層階から普通の住民が見物しているのです。この頃のレバノンはまさに生活の一部に戦争があったわけですね。

 RPG7を抱えて戦闘車に挑んできた少年は一瞬で撃ち殺されるし、監督の悪夢の原因となったレバノン内戦で起きた村の虐殺シーンもアニメで再現されるのですが(それでもかなりエグいですが)、最後の最後、立ち尽くす監督に向かってレバノンの民衆が押し寄せてくるシーンで、虐殺の実写映像がいきなり出てきます。もろに遺体です。それも激しいリンチか銃撃でズタズタになってる人たちの。子どものものもあります。終わっても体が重たくなったような感覚に襲われて、すぐには立てませんでした。
 最初、映画を見る前はイスラエルがパレスチナ難民に働いた戦争犯罪行為を自分で断罪してる作品なのかと思ってたんですけど、後で公式サイトとか見ると、一般住民の虐殺をやったのはレバノンの反アラブのキリスト教主義政権側であり、イスラエルはそれを傍観した(か支援した)という罪のようです。だけど、今もアラブ世界と戦争を続けているイスラエルからこうした内省的な映画が出てきたことがきっと画期的だったんですね。だからアカデミー賞にもノミネートされたんでしょうね。

 『おくりびと』と比べても仕方ないですけど、作品としての衝撃度というか、インパクトはこちらの方がはるかにある感じがしました。実を言うと、『おくりびと』はテレビ放映で見たのですが、終わり方が何だか唐突な感じがして、そんなに優れた映画だという印象は持てなかった。じゃあ、この映画はというと、ラストで実際に遺体の実写映像を使ったのが少し失敗だったと思います。その印象が強烈過ぎて、それまでにアニメで描いた作品の大部分が一気に色あせる感じがするんですね。そこがちょっと惜しい感じがしました。


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ドキュメンタリー2本。 [映画]

 *あらすじに触れているので、未見の方は注意して下さい。

 いや~。歳取ると涙腺が緩くなるんですねえ。ドキュメンタリー見て泣いちゃうとは。話題の2本見てきました。マイケル・ムーアの「キャピタリズム~マネーは踊る~」と前から期待作だった「アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~」。後者はともかく、前者で泣けるとは思わなかった。

 「キャピタリズム」の方はいつものムーア監督のおふざけはちょっと封印気味。社会で虐げられている人たちへの優しい視線が実はムーア監督の持ち味だったんだなあと感じられる。冒頭は銀行ローンが払えなくて、家を追い出される人たち。ここは「そりゃローンが払えなきゃ、追い出されるのは当たり前だろう。気の毒だけど…」という気分で観客は見ている。
 でも、どうして支払いが難しいようなローンを組む人が増えたか、それを計画したのは誰か、そして、悪だくみを計画した人たちは最後に国から莫大なカネを引き出して必死で逃走を図る。映画はそこら辺の流れを分かりやすく描いてみせる。

 つまり、(規制緩和が過度に進んだ今のアメリカの)資本主義とは、人の命とか住む場所とかの権利すらを賭けのチップにした、一握りの大金持ちたちのためのマネーゲームなわけです。大がかりな詐欺行為、バクチ場みたいなものなんだ、と言いたいみたい。賭けるプレーヤー側はチップのことなんか何とも思っていない。でも、それで人生を狂わされた人たちは、それぞれに普通に人生を抱えたひとりの人間なわけです。

 そんなアメリカもオバマさんが大統領になってから少しずつ変わり始める。家具工場の労働者たちが突然の首切りに遭って途方に暮れるものの、団結して座り込みをする。最初は勝ち目のない闘いだったが、オバマ大統領が支持すると演説で言った途端、米国中からカンパが集まり始める。このシーンでも感じましたけど、人の「言葉」の持つ力って凄い。
 銀行の手先になって、ローンが払えない住民を追い出していた保安官は法律を破って住民の追い立てを止めてしまう。ここで冒頭の場面に戻ってくる。家を追い出された人たちが地域住民と団結して、銀行から派遣された追い出し業者と警察を追い返してしまう。この辺はちょっと救いのある場面でした。

 ムーア監督は「もうこんなアメリカには住みたくない」とナレーションで語る。本当はもっと良い国になるはずだった。その可能性として紹介されるのがフランクリン・ルーズベルトが第2次大戦中に草案し、ラジオ演説したという国民の新しい権利。しかし、ルーズベルトは病に倒れ、アメリカは今に至ってもその権利を国民に保障することができていない。
 この場面はなかなか感動的。ムーア監督って、社会派の作家で、たぶん国内では左派、反米的って思われてるんだろうけど、自分の国と人々を愛している人なんだと感じた。

 どうして今も国民に当たり前とも言える権利を保障できないのか、ムーア監督が説明する。戦後、敗戦国の立て直しのためにルーズベルトの側近がヨーロッパや日本のために働いた。だから、ドイツ、イタリア、日本では男女平等や労働者の団結権が憲法に盛り込まれた。大企業でも経営者の思うがままに社員を首にしたりできないから、高品質な製品を作って会社を成長させた。一方で、アメリカはルーズベルトの理念を実現できないまま、権力とカネを持つ者が思うままに世の中と国を動かしてきた。

 日本では一代で会社を興したオーナーは別として、かなりの大企業でも社長や役員の年収って4000万とか5000万くらいかな? 社員の平均年収の10倍に行くかどうか? ところが、この映画に出てくる銀行の重役たちは国から税金を引っ張って賭けの失敗の穴埋めをしたあげく、一生かかっても使い切れないような何十億円という収入を取っている。
 年功序列とか、終身雇用とか、労働組合の存在とか、過去の日本の会社を支えてきた仕組みは古い体質の象徴みたいに言われていたけど、実はそれこそが社会の安定した成長を助けていたのではないかなあ。
 会社の利益のために社員の首を切ったり、給料を下げたら、人はモノを買わなくなる。モノを買わなくなると、企業や社会が衰える。貧しい人が増え、犯罪者が増える。家が投げ売りされ、地域社会が荒廃する。映画によると、今のアメリカがまさにそんな社会になってるみたい。日本もアメリカのマネをずっとしているわけで、あと何年か後にはこの映画で描かれているアメリカみたいになるんでしょうか。

  アンヴィル.jpg (写真は映画館でもらったチラシ)

 「アンヴィル」の方はミニシアターだったけど、ほぼ満員。メタル系のバンドのウインドブレーカー着てる人とかいたりして、観る方も気合十分。映画はネットでいろいろレビューを見たせいか、なんとなくあらすじは知ってましたけど、アンヴィルのおっさん(私とそう年齢変わらないけど)2人の掛け合い漫才みたいなやり取りで声あげて笑って、それでやっぱり最後は泣けてしまった。
 カナダやヨーロッパ、そして日本の世界中のメタル好きな人がどこかヘンテコでアホだけど、いい奴ばっかり。この映画撮ってる段階で、この作品がこんなに話題作になるとは誰も知らないから、やらせナシだと思うんですけど、元ガンズのスラッシュとか、いろんなモンスターバンドのメンバーが自分たちの100万分の1もCDが売れていないアンヴィルを対等に扱ってる。本気でほめてる。みんな売れない苦労を知ってるから、30年もスタイルを変えないで好きなヘヴィメタルを追及してる、そんな一途さを認めてるんですね。
 ほかにもいろんなおかしくて良い人が出てくる。ヨーロッパのツアーで観客として参加して声を掛けてくる日本人のメタルファン(御茶ノ水の洋盤屋でマイナーなアルバムを探してる人に多そうな感じ→あ、私もか…)。「お前らには負けたと言われたよ」って声をかけるツイステッドシスターのメンバー。メンバーをヨーロッパで路頭に迷わせる素人の女性マネジャーはヴィシャス・ルーマーズ(たぶん)のTシャツ着てるし。

 台詞もいい。ITビジネスで稼いだエグゼクティブ(死語?)の説教臭い言葉が並んでるような自己啓発系ビジネス雑誌よっか、何倍もおっさんの胸にグッと来るシブイ台詞がすらすら出てくる。
 そんな彼らは、「日本のライブで、もし2000人入るホールに100人しか客がいなかったら、カネを払って見に来てくれた人に申し訳ない」って考える本当のプロで、「良い音楽を精一杯やって来たから、このまま人生が終わっても何の後悔もない」って言える本物のミュージシャン。30年も売れなかったのに、全然くさってないんですね。
 私は…最近仕事してる時でも自分に言い訳しながらしてることも多かったなあ…などと反省してしまいました。メタル好きなら、見るべき映画だなあと私も思いました。

 ルーズベルトの理念を取り入れて、敗戦から立ち直って世界有数の経済国になり、マイナーなバンドでもメロイックサインしながら熱く応援できる大勢のメタル好きな人々がいる日本。2本の映画を見て、少し好きになりましたよ。

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映画『沈まぬ太陽』 [映画]

 *あらすじに触れてますので、未見の方はご注意ください。

 ちょっと最近お疲れ気味の私。ここは働く中間管理職サラリーマンに勇気を与える映画を! ということで、話題作「沈まぬ太陽」見てきました。この映画、テレビや新聞の大スポンサーの日航が映画化に抵抗したため、電通などの大手広告代理店がスポンサーにつかなかったとか。舞台あいさつで主演の渡辺謙が男泣きしていたのも印象に残ってました。

 お話は、日本航空がモデルの国民航空を舞台に、御巣鷹の尾根の墜落事故と、政界をも巻き込んだ権力闘争という二つの軸を物語の中心として、労組委員長として活躍した恩地元(渡辺健)が巨大企業の権力闘争にもまれ、時には自分の立ち位置に苦悩しながら、サラリーマンとして、人として、筋を通した生き方を模索するさまを描いた作品…なのかな?

 たぶん本当は群像劇のはずなのに、渡辺謙という大スターを呼んでしまったからなのか、恩地以外の人物の掘り下げ方が中途半端な感じがして、いまひとつこなれきってないような気がします。それと、ハリウッド映画に慣れちゃったからなのか、他の俳優に比べて渡辺謙だけちょっと浮いちゃってる(オーバーアクション気味?)ような気も。空港を飛び立つ国民航空のエンブレムを付けたジャンボ機のCGもちょっとチープでした。演技派の俳優がずらっと並んでるだけに、ここだけ特に妙に気になった。

 原作の山崎豊子さんの小説は読んだことないんですけど、週刊誌などで問題点が指摘されたことがあったような気がします(うろ覚え)。実際、物語では労組委員長を務めた恩地のキャリアが彼のサラリーマン人生を苦しめるんですけど、東大を出て、巨大企業の労組幹部だったら、普通ならエリートコースのはず。
 それに、恩地の娘が「アカ(共産党)の娘」となじられる場面がありますが、巨大企業の労組委員長という立場に対してその言葉は違うだろ…とこれも違和感持ちました。左遷された恩地の娘が学校でいじめられたと手紙を寄こす場面も、「学校でそんなこと(組合活動に絡んだ左遷人事)言うかな?」とか。左遷にしてはパキスタンとかイラン、ケニアと海外を転戦していて、優雅な左遷だな…とか(地方都市の支店管理職にさせられるとかならともかく)。

 時の首相や財界フィクサー(たぶん瀬島龍三がモデル)も絡めた国民航空内の権力闘争が結構リアルなだけに、恩地が社内で疎まれる事情や背景が今のこの不景気に苦しむサラリーマンの視点から見ると何だか薄っぺらいし、それに苦悩する恩地にも感情移入できないのです(私の方がよっぽどひどいサラリーマン生活送ってるよ…という人多いと思う…)

 とは言え、この作品をして、「当社を不当に貶めている」と怒ったらしい日航のエライさんはこれまたヘンだなあ、と思います。上層部はともかく、恩地や現場の社員は仕事にプライドを持ち、みんな飛行機が大好きなんですね。安全を祈って飛び立つ自社機に整備士が手を振るシーンとかあります。恩地やその仲間も、自分の会社が好きだから、事故で失墜した信頼を回復しようとして外部から会長を招き、会社を立て直そうと奮闘する。自分の会社をこれだけ好きな社員がいるっていい会社じゃないですか。私はうらやましいなあと思ったなあ。

 最近ニュースをにぎわせている日航の経営問題って、政治家の影響力で利用客の少ない地方空港にも無理して飛行機を飛ばし続けたり、国の特別会計の上にあぐらをかいた姿勢が赤字体質の根源だったって指摘されてますよね。
 だから、本当は恩地個人のエピソードなんかは薄めにして、もっと社内の権力闘争に軸足を移して、今の日航の姿を予期したような内容にしたら、もっとおもしろかったかもしれません。

 この映画でも取り上げられている御巣鷹の尾根の事故ですが、520人が一度に亡くなったという事実は、どんな形で映像になっても、やはり心を動かされてしまう。尼崎で起きたJR西日本の脱線事故もいつかこのような形でドラマ化されるのかなあ、などとふと思いました。


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どうでもいいことですが…。 [雑記]

 最近、電車の中吊り広告とかでチラチラ見てた「森ガール」なる言葉。





 私、ず~~っと、政権交代でこの世の春を謳歌してる民主党幹事長の小沢さん率いる「小沢ガールズ」に対抗して自民党の森元首相が側近の女性を固めた「森ガールズ」を作ったんだ…と思ってました。「いよいよ自民党の本格的な反撃が始まったのか!?」みたいな。

 ちょっと仕事で疲れてるみたいです。

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久々の転倒。 [雑記]

 今日、夜仕事の帰りにスクーターを走らせていたら…例によって携帯をいじってるのか助手席の方を見ながら運転してるのか、真ん中に近い車線をのろのろ走ってるベンツがいて、すっと追い越して、そのまま大きな交差点の一番左の車線を走ってました。そしたら、真ん中よりの車線で私のちょっと前を走っていたタクシーが、ウインカーも出さないで、いきなり交差点を左折してきました。
 ちょうど右前からタクシーが横切るような形で視界に入ってきて、私は急ブレーキ! あっという間にタイヤがロックして、そのまま地べたに投げ出され…。体があちこち痛いのこらえて起きあがってタクシーの方見たら、そのまま逃げていきやがりました。ひどい運転手だ。ナンバー覚えてたら110番するんですが…。スクーターは私の前の交差点の真ん中あたりで転がってました。

 で、その結果。

   時計.jpg

 ひざとか手に擦り傷多数。結構無理して買った時計はボロボロ。



   スーツ.jpg

 去年買ったまだ新しいスーツと長年愛用のオーバーもボロボロ。

 まあ、ベンツを追い越した時、「どうしてこんなにデカイ車で真ん中をのろのろ走ってるのかな」ってちょっとイラっとしてたかな。いきなり左折してきたタクシーは客を探すのに必死で、ろくにミラーなんか見てなかったに違いない。

 まあ、大きな怪我をしなかったから、良かったと考えるべきなんでしょうね。もうちょっと安全運転せよ、という何かのお告げなのかも。しかし…スーツはもう着られないし、時計は修理したら新しいのもう1個買うくらいかかりそうです。

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就職活動 [雑記]

 ちょっとご無沙汰です。

 先日、会社の人事の人と一緒に母校の大学でやった会社説明会に参加しました。こんな不景気なご時世なんで、それなりに学生さんが集まってくれました。今は少子化が進んでどこの大学も学生サービスに必死なんで、いろんな企業に声を掛けて、学生を集めて企業研究会みたいなのを開いてるそうです。

 こっちはちょっと仕事にお疲れ気味なんですけど、学生さんの手前、そんなことも言えず…。思いっきり演技して「仕事のやりがい」とかそんなもんあったら苦労しないよ…「どうしてこの仕事を選んだのか」とかいやたまたまこの会社しか入れなかっただけなんだけど…「仕事での成功談、失敗談」いや、人生そのものが既に失敗の悪寒が…など話してまいりました。

 いや~こんな私の話でも皆さん、ノートとか取りながら、一生懸命聞いてくださる。質問も結構出ましたね。上から目線にならないように、説教くさくならないように、きれいごとばかり言わないように…と考えながら話したけど、ちゃんと伝わったかな。

 大学の就職部の人ともちょっと話しましたが、最近の学生さんって、入るのが難しそうな会社とか誤解があるといけませんが私の会社は全然入りやすいですが…面接だけでなく筆記試験もやるとか、ハードルを少し上げられると、それだけでチャレンジを避ける傾向があるそうです。人気があるのは、面接だけで採用を決めてくれて、採用数も多く、安定していて、待遇もまあまあの会社。「アルバイト先を選ぶ感覚で就職先を選ぶ子もいるんですよね」とちょっとこぼされてました。

 まあ、私も学生の頃は一般常識に欠け気味のそこらへんの兄ちゃんでした。就職する時もあまり深く考えなかったなあ…。でもまあ、普通に努力すれば、何となく何とかなるもんだから、学生の皆さん、頑張って下さい。

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ちょっと散漫な印象。「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」 [映画]

 *映画のあらすじに触れてますので、未見の方は注意して下さい。

 社会派? らしい作品で、ちょっと期待作でしたが、想像していたのとちょっと違ってた感じでした。

 お話は…移民局捜査官のマックス・ブローガン(ハリソン・フォード)が摘発したメキシコ人の不法就労事件。若いシングルマザーのミレヤから一緒に連れて来た息子の保護を頼まれるマックス。その場では断るものの、懇願するミレヤの悲壮な顔が頭から離れず、後日、
ミレヤの子供を保護、メキシコへ送り届けると、強制送還されたミレヤはアメリカに残した息子を案じて再び不正入国するために旅立った後だった…。
 マックスとメキシコ人の母親の話は物語の軸ではなく、イラン出身の移民捜査官とその家族、ユダヤ人のミュージシャン志望の若者、オーストラリア人の女優志望の若い女、イスラム系の不法就労の一家の娘、韓国人の正規就労者の家族の息子…と複数の家族や人物がグリーンカード(永住査証)をめぐって人生をほんろうされ、明暗を分ける様子がモザイク状に絡むお話です。

 ハリソン・フォード、さすがにちょっと老けたな~って感じでした。『アリー・マイ・ラブ』のキャリスタ・フロックハートの旦那さんでしたっけ。歳とっても、もちろんかっこいいですけどね。
 マックスは人道主義的な移民捜査官で、『グラン・トリノ』でクリント・イーストウッドが見せたような深い人生経験をにじませる枯れた渋い演技を見せるんですけど、お話の中心にはいるものの、同時並行的に進む別個のストーリーにはそれほど深くは絡んできません。

 劇中では、学校の意見発表で9.11テロ犯の思想を擁護したイスラム教信者の女子高生がFBIからテロリスト予備軍の烙印を押されて、家族と離れ離れにされて国外撤去になったり、女優を夢見るオーストラリア人の女優の卵がグリーンカードの審判官に体をもてあそばれたり、不法就労者の間に生まれたアフリカ系の子供が国籍も保護者もなく施設にずっと収容されていたり、アメリカの移民政策の不条理を細かく描いてます。
 しかし、主役のマックスはそれについてどう考えているのかよく分からないし、運よくグリーンカードを手に入れた人も、それをめぐって人生が暗転した人も、動機や背景が何だか薄っぺらい感じだし、複数のストーリーを同時並行で進めながら、分かりやすく見せたからでしょうが、見終わってちょっと散漫な感じが残りました。

 グリーン・カードの受給式典みたいなシーンがあって、舞台いっぱいの巨大な星条旗の前で、アメリカ国家を聴きながら、移民が新たなアメリカ市民として宣誓します。でも、そこにはさまざまな国籍の人が「見せかけだけ(?)の自由と平等の国」の市民として迎えられたことに対する皮肉みたいなものはありません。移民や不法就労者の置かれた不条理や悲劇を描く一方で、アメリカ市民に迎えられた者は幸せが待っているんだよ的な流れで映画は終わってしまいます。

 オバマ大統領が打ち出した国民皆保険制度に対する世論の厳しい反発とかニュースで見てると、アメリカって競争と個人主義に支えられた荒んだ弱肉強食の国で、ごく普通の人には自由でも平等でもなく、私個人は旅行はともかく移住したいとはまったく思わないんですけど、アメリカの人ってアメリカが大好きなんだなあ、とふと思ったシーンでした。


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久々の激走。 [雑記]

 この前、車庫から出そうとしたら、ちょっとバッテリーが上がり気味になってた黒ゴキ号(FC3型RX7)。そう言えば、ここんとこ、仕事が忙しくて乗ってなかったなあ、と思って、遅めの夏休みを利用して激走してきました。

 当初の予定では、今どきETC未搭載の時代遅れの車のメリット(?)を最大限に生かし、平日に高速を使って近場の温泉にでも小旅行するかな? ってことで。城崎温泉にナビをセットして、いざ発進!


  高速.jpg

 オラオラオラオラ~。ETC積んでへんから「割引の日に走ろう」なんて考えへんから無敵やでぇ~っ。案の定、中国道がっらがらや~っ。走れ~っ黒ゴキ号! 久し振りに散歩に連れ出した犬のように!

 城崎温泉に着いてみたら…。

 無敵のETC未搭載車を駆るシブイ男の独り旅は無計画こそが身上。旅館の予約とかはしてへんわけです。飛び込みで何軒か回ってみたら…。まだ学校が夏休み中なの忘れてた。そこら中の旅館もホテルも満室でした。恐るべし城崎温泉。

 もうええわ~っ。走るだけ走ったる~っ! ってことで、そのまま丹後半島へ。途中、タヌキやイノシシが飛び出してきて、パニックブレーキで避けたりしながら(恐るべし丹後半島)、ぐるんぐるんに曲がってる峠を越えて、やってきました日本海。


  夕焼け.jpg (シブイ…渋すぎる…)


 そのまんま宮津まで走って、京都縦貫道から中国道経由で帰ってきてしまいました…。シブイ男の独り旅のはずでしたが、ただ300キロほどドライブしただけに終わってしまいました…。木枯し紋次郎みたいなシブイ男の独り旅でも、ETC積んでなくても(実はあまり関係ない気もしますが)、旅に計画性は必要ですね。

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