ハイテクベーシストのロックインスト(Stuart Hamm) [音楽]
ロックバンドの中では地味な存在とも言えるベーシスト。でも、ベースが巧いバンドはやっぱり曲もかっこいいことが多いです。ZEPしかり、ブラックサバスしかり、The Whoしかり…。 だけど、バンドやる場合、やっぱり最初から「俺、ベースやりたいな」ってロック少年は少ない…かもしれません。そんな「偏見」を一気に変えたのが、まず、ビリー・シーン。この人のベースはギターより速弾きと言っていいでしょう。タッピングも当たり前みたいにやります。
ちょこっとだけ教則ビデオ見ましたけど、滅茶苦茶に速いフレーズが多くて、ベースなんだか何だかわかんない。もちろん、曲の低音とリズムを支える肝心のベースプレイもすごく巧いんですが。この人のベースプレイを見たら、「ベースやりたい!」と思うかも…。
で、ビリー・シーンと肩を並べるハイテクベーシストとして有名なのがこの人、スチュアート・ハム。ジョー・サトリアーニやスティーヴ・ヴァイと一緒に出てきて、G3ツアーでも最近まで一緒だったんじゃなかったかなあ。今もあるのかどうか分かりませんが、ヴァイさんが最初にアルバムを出したのがアメリカのインディーズレーベルの「RELATIVITY COMBAT」というレーベルで、そこからスチュアートさんが出したたぶん2枚目のソロがこれです。
『KINGS OF SLEEP』(1989年作)
元々はジャズ畑の人らしく、ファーストアルバムはかなりジャズ寄り、悪く言うと、(私を含めた)素人向きじゃあない(ちょっと退屈)んですけど、2作目はサトリアーニやヴァイのアルバムのヒットを意識したのか、ベーシストのソロアルバムなのにほぼ全編、小気味良いギターソロが唄いまくりです。当時はアメリカのラジオのロック専門局でもよくかかっていたそうです。もちろん、普通のギタリストのソロアルバムよりベースは鳴ってるし、音も前面に出てきてますが、かなり聴きやすい。テレビのスポーツ番組なんかのBGMにもよく使われていたような気がします。
ギタリストは2人参加してますが、圧倒的に巧いのはショットガン・メサイアってバンドにいたハリー・K・コディ。ショットガン~はちょっとパンクっぽいポップロックバンドみたいなカラーなんですが、この人のギターが巧いので、このバンドのアルバムも買ってしまったほどです。安定している上にかなり速いし、メロディもある人です。
肝心のスチュアートさんのプレイは、私はベースのテクニックはあまり知らないのでよく分かりませんが、速く弾くというより、いろんな鳴らし方をする人という印象です。ロック雑誌なんかで人気投票やると、上位に来る常連さんなので、やはり世界中のベース少年(?)の先生である人には違いありません。
〈追記〉
一番新しいアルバム? なのか最近買ったのがこれです。
『OUTBOUND』(2000年作)
ちょっとロック色が薄まって、ギターの出番が減ってますけど、曲はかっこいいので、ギターインストもの好きな人でも楽しめると思います。スローな落ち着いたベースソロ聴かせる曲から、ギターと一緒に弾きまくりの曲まであり、ベーシストのソロアルバムだけど、退屈しないつくりだと思います。元々の本職(?)のジャズ畑に半歩ぐらい戻った感じかな。
ドラムスはこれまたハイテクさんのSteve Smith。レーベルはヴァイ社長のFAVORED NATIONS。社長、相変わらずエエ仕事やってくれてます。1曲で前に紹介したパワー・メタルバンドのヴィシャス・ルーマーズのギタリスト、マーク・マクギーが参加してました。参加してるのは耳に優しいゆったりしたきれいなメロディの曲で、印象に残ります。このアルバムではあまりテクニカルなことはやってませんけど、これを機会にインスト系のアルバムに進出してくれないかな。
〈追記 07.01.27〉
順番が逆になっちゃいましたが、これがたぶん3枚目。前作の「KINGS OF SLEEP」を踏襲してロックっぽい出来です。ボーカル曲が入ってきて、ちょっと緩慢な感じもしますけど。だけど、何と言っても、ギターでEric Johnsonが参加してるM6がいいです。ボーカル曲1曲でも弾いてるけど、インストのM6がかっこいいです。弾きまくり。しかもドラムはSteve Smith。
前作参加のHarry K.Codyもロックっぽい曲でよく唄うギターソロ弾いてます。もちろん、スチュさんのベースは全編でブリブリ鳴りっぱなしです。あと、ドラムでTommy Leeが参加してます。私はドラムのテクはよくは分かりませんけど、この人のドラム、古風なロックっぽくて重いから好きです。
『THE URGE』(1991年作)
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