話題の2作品見ました。 [映画]
*映画のあらすじに触れてますので未見の方はご注意を。
転勤に伴う引っ越し準備をしなきゃいけないのに…。部屋のあまりの散らかりっぷりに心が折れて、映画に逃避してしまいます。
アカデミー取った「ハート・ロッカー」をちょっと前(授賞式の前)、先日、候補になった話題作「マイレージ・マイライフ」を見てきました。
「ハート・ロッカー」はイラク戦争版の「プラトーン」みたいな話かと思ったら、どっちかというと「地獄の黙示録」に近いような。極限状況でだんだん兵士の心が蝕まれていく様子がドキュメンタリーみたいなタッチで描かれていくんですけど、最後まで違和感を感じたのは「結局、アメリカって自分たちのことにしか関心がなくて、よその国の人のことはあまり考えないんだなあ」ってこと。
初の女性監督としての受賞者になったキャサリン・ビグロー監督が世界中の戦場に派遣されている兵士に捧げるという趣旨のスピーチをしました。でもなあ…戦争自体はアメリカが誤った情報に基づいて仕掛けたもので、それでイラクでは何千人も一般市民が亡くなってるわけですから。
ラストの方で、イスラムゲリラに爆弾を装着されてしまった男を主人公の爆発物処理班の兵士が命の危険を顧みずに助けようとしますが、戦争中に誤爆や誤射で大勢の一般市民を巻き込んでいるのに、ちょっと鼻白んだ場面でした。実際のアメリカ兵だったら、良くて遠巻きに見てるだけか、即射殺なんじゃないかなあ。
「マイレージ・マイライフ」は実は期待作だったんですけど、ラストの方がよく分かりませんでした。主人公のジョージ・クルーニーは会社に代わって社員にクビを宣言して再就職先をあっせんするリストラ代行会社のやり手社員。アメリカ中を飛行機で飛び回り、マイレージをためるのが仕事とは別の人生の目標。
人生に必要なのは最小限の荷物が入った旅行用カバンだけで、家族や友人などの余計なものを抱え込まない孤独な生き方をしてきたクルーニーがやっと人生の大切なものに気付く…というお話かと思ったら、ラストでほろ苦い裏切りが待ってました。
この映画、社員をクビにする場面が何度も出てきますが、有名大学を出たエリート新人女性社員が「恋人と離れたくないため」(?)という動機でネットのテレビ電話を通じてクビを言い渡す新方式を提案したりと、徹底して他人の人生をぞんざいに扱う人が主役です。クルーニーは相手の心のうちを考えた対応をしなきゃ駄目だみたいな立場を見せますけど、多少言葉が優しいぐらいで、やってることはそう変わらない。
ラストの方で新人の女性社員は自分がクビを切った女性が自殺したことでショックを受け仕事を辞め、クルーニーはやっと見つけたと思った旅行カバン以外の大事なものに裏切られるわけですが、見ず知らずの他人に突然クビを切られる人たちの挫折に比べたら、ちょっと躓いた程度のことに見えるんですよね。
クルーニーが人生を見直すきっかけになるのは、自分が追い込んだリストラ要員の傷付いた人々じゃなく、自分と似たようなマイレージマニアのエリート風の女性。結局、この2人は他人の人生を扱う自分の仕事からは何も学ばず、何も感じないんだろうか? と思ってしまいました。アメリカでは突然会社をクビになるなんて当たり前のことだから、そんなことに感傷的になる主人公じゃ物語が成立しないんでしょうか。それも何だか寒々とするなあ。
そんなわけで、ジョージ・クルーニーの深みのある中年男の演技は渋かったですが、いまいち後味のすっきりしない映画でした。
転勤に伴う引っ越し準備をしなきゃいけないのに…。部屋のあまりの散らかりっぷりに心が折れて、映画に逃避してしまいます。
アカデミー取った「ハート・ロッカー」をちょっと前(授賞式の前)、先日、候補になった話題作「マイレージ・マイライフ」を見てきました。
「ハート・ロッカー」はイラク戦争版の「プラトーン」みたいな話かと思ったら、どっちかというと「地獄の黙示録」に近いような。極限状況でだんだん兵士の心が蝕まれていく様子がドキュメンタリーみたいなタッチで描かれていくんですけど、最後まで違和感を感じたのは「結局、アメリカって自分たちのことにしか関心がなくて、よその国の人のことはあまり考えないんだなあ」ってこと。
初の女性監督としての受賞者になったキャサリン・ビグロー監督が世界中の戦場に派遣されている兵士に捧げるという趣旨のスピーチをしました。でもなあ…戦争自体はアメリカが誤った情報に基づいて仕掛けたもので、それでイラクでは何千人も一般市民が亡くなってるわけですから。
ラストの方で、イスラムゲリラに爆弾を装着されてしまった男を主人公の爆発物処理班の兵士が命の危険を顧みずに助けようとしますが、戦争中に誤爆や誤射で大勢の一般市民を巻き込んでいるのに、ちょっと鼻白んだ場面でした。実際のアメリカ兵だったら、良くて遠巻きに見てるだけか、即射殺なんじゃないかなあ。
「マイレージ・マイライフ」は実は期待作だったんですけど、ラストの方がよく分かりませんでした。主人公のジョージ・クルーニーは会社に代わって社員にクビを宣言して再就職先をあっせんするリストラ代行会社のやり手社員。アメリカ中を飛行機で飛び回り、マイレージをためるのが仕事とは別の人生の目標。
人生に必要なのは最小限の荷物が入った旅行用カバンだけで、家族や友人などの余計なものを抱え込まない孤独な生き方をしてきたクルーニーがやっと人生の大切なものに気付く…というお話かと思ったら、ラストでほろ苦い裏切りが待ってました。
この映画、社員をクビにする場面が何度も出てきますが、有名大学を出たエリート新人女性社員が「恋人と離れたくないため」(?)という動機でネットのテレビ電話を通じてクビを言い渡す新方式を提案したりと、徹底して他人の人生をぞんざいに扱う人が主役です。クルーニーは相手の心のうちを考えた対応をしなきゃ駄目だみたいな立場を見せますけど、多少言葉が優しいぐらいで、やってることはそう変わらない。
ラストの方で新人の女性社員は自分がクビを切った女性が自殺したことでショックを受け仕事を辞め、クルーニーはやっと見つけたと思った旅行カバン以外の大事なものに裏切られるわけですが、見ず知らずの他人に突然クビを切られる人たちの挫折に比べたら、ちょっと躓いた程度のことに見えるんですよね。
クルーニーが人生を見直すきっかけになるのは、自分が追い込んだリストラ要員の傷付いた人々じゃなく、自分と似たようなマイレージマニアのエリート風の女性。結局、この2人は他人の人生を扱う自分の仕事からは何も学ばず、何も感じないんだろうか? と思ってしまいました。アメリカでは突然会社をクビになるなんて当たり前のことだから、そんなことに感傷的になる主人公じゃ物語が成立しないんでしょうか。それも何だか寒々とするなあ。
そんなわけで、ジョージ・クルーニーの深みのある中年男の演技は渋かったですが、いまいち後味のすっきりしない映画でした。
そうですか…
「マイレージ~」は観に行こうかと思っていたのですが…
テーマが重いですからね。
でも、クルーニーさん、シブいですか。そうですか。
うん。
by ひょう (2010-03-28 20:41)
ひょうさん
重い…テーマを扱ってるはずなのに、妙に軽いというか。これは文化の違いなんでしょうね。NHKで似たようなドラマやってましたけど、クビ切る側は結構悩んでいたじゃないですか。なんかちょっと違うんだよな~と思ってしまいました。
ただ、クルーニーも劇中で言ってましたが、会社を去るということは、新しい人生を始めるチャンスでもある。クルーニーがリストラされる側を演じてたら、ちょっと違うドラマになったんじゃないかなとか思いながら見てました。
by しまうま (2010-03-29 01:31)