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ちょっと感動もあり。『デトロイト・メタル・シティ』 [映画]

 *映画の内容に触れているので、未見の方は注意して下さい。

 私は原作のマンガ読んでないんですが、「おもしろかった」という声が多い『デトロイト・メタル・シティ』行ってきました。土曜日にレイトショーの開場30分前に行ったら、既にほぼ満席。今日は同じレイトで、開場1時間前に行ったら、何とか席ありました。劇場が小さいのもありますが、結構ヒットしてるようです。開場前のロビーで待ってる客層はかなり若く、私はおっさん一人でちょっと浮き気味。でも、始まったらそんなの気にならないくらい笑えました。エンドロールの後にちょこっとオマケ映像あります。


  
メタルシティ.jpg (写真はパンフレット。LPレコード? みたいなケース入りです)

 大分県の地方都市出身の大学生、根岸崇一(松山ケンイチ)は優しい音色の生ギターで恋愛について歌うポップなラブソングが好きなどこにでもいる若者。「ミュージシャン募集」のポスターを見て応募した音楽事務所で、無理矢理デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ(DMC)」のボーカル、ヨハネ・クラウザー2世に仕立て上げられる。自分が追い求める理想の音楽とはかけ離れたデスメタルバンドでの活動に悩む根岸青年。
 ある日、大学の音楽サークルで片思いだった美女、相川由利(加藤ローサ)と街で再会する。音楽雑誌の編集者として働く由利はDMCの音楽を「最低」とこき下ろす。実はクラウザーである自分の正体を隠しながら、由利への想いで揺れる根岸。ついにそのジレンマに耐えきれなくなり、大分の実家へ傷心のまま逃げ帰ってしまう。クラウザーの失踪で活動停止状態となるDMC。しかし、そんなDMCにアメリカのブラック・メタルの帝王、ジャック・イル・ダークから挑戦状が叩き付けられたのだった…。

 原作はギャグ漫画らしいんですけど、映画はちょっと感動させるくだりも入っています。私は個人的には、音楽をテーマにした映画の条件って「音楽が人に与える不思議な力が描かれているかどうか」だと思ってます。その点で、ヘンテコな人たちにしか見えないファンが、一般的な常識に外れるデスメタルが好きでしょうがなくて、それでちゃんといろんな力をもらっていることが映画の中で描かれています。

 昔、アメリカでヘヴィメタルが子供の自殺の原因になった(だったかな?)だかで、ミュージシャンが訴えられる事件がありました。だけど、「死」とか「悪魔」を歌詞の題材にしていても、聴いてるのが子供だからって、本当に殺人や悪魔崇拝に走るわけじゃなし、曲の雰囲気やギターのリフやソロの格好良さが好きなだけなんですよね。アリス・クーパーなんて、『Hey Stoopid』のタイトル曲で、「男にフラれたからって世界が終わるわけじゃなし、頭に銃を突きつけるなんてアホだぞ」って歌って若者を励ましていた。

 お話は全体的には漫画が原作だけあって、ハチャメチャなんですけど、ファンの手紙を読んだり、母親(宮崎美子)のさりげない励ましで失意から立ち直り、ジャックとのバンド対決に臨むラストは結構燃えるかも。
 ちょっと残念なのは、オリジナル? と思われる曲は結構格好いいのに、演奏シーンがちょっと少ないとこかなぁ。DMCはトリオ編成なんですね。リフは複雑で速いし、かなりなテクのバンドの設定だと思います(たぶん演奏は吹き替え)。メンバーに扮する俳優さんは楽器は素人らしいんですけど、ライブの場面はなかなか。もうちょいギターソロとか演奏テクを見せつける場面があったら…。


 エンドロール見てたら、「マーティ・フリードマン」の名前があったから、どこに出てたんだろう? と思ったら、パンフによると、ジャック(ジーン・シモンズ)のバックのメンバー役でした。「ヘビメタさん」でポール・ギルバートとKISSの曲あてギター対決をやったくらい大ファンらしいので、映画での共演をきっと喜んでいるだろう…と思ってパンフに何か書いてるかと思ったけど、マーティのインタビューは載ってませんでした。


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コメント 4

duke

宮崎美子が良かったですね!クラちゃんが誰かって、わかってましたよね!!
ヘヴィメタが・・っていうのは、もしかしたら高校の無差別銃撃事件の高校生の犯人が、マンソンのファンだった、っていうやつでしょうか。(他にもあるかもしれませんが)
それにしても原作の歌詞はもっとスゴイんですよー(恐)
by duke (2008-09-13 03:09) 

しまうま

 dukeさん nice!ありがとうございます。

 いきなりDMCのTシャツ着てたところで笑えましたね。トイレでテトラポット・メロンティー(なんつうネーミング…)の先輩とデュエットしてる場面も劇場内は爆笑でした。
 物騒な歌詞の割には実はクラウザーは親孝行で弟思いのいい奴で、デスメタルの才能は本物ってところが良かったです。

 これ、考えたんですが、プログレとかでもいけそうな気がしますね。プログレって長い、暗い、分かりづらい=ノリづらい(変拍子だから)の三拍子で、デスに通じるものがある気がします。
by しまうま (2008-09-13 15:27) 

duke

プログレ・・・今度は知的なクラウザーさんでしょうか^^;
by duke (2008-09-15 20:22) 

しまうま

 dukeさん

 もろパクリですが、例えばこんなんです…。松山君はオシャレな企画を次々に打ち出す流行に敏感なエリート広告マン。大学時代はパーティー企画サークルでアカ抜けた読者モデル風の友人や恋人と六本木のクラブで遊んでいた…
 …というのは採用面接でついた嘘で、実はプログレ研究会に属し、300円のコーヒーで3時間も微動だにせずキング・クリムゾンやELPをプログレ喫茶で聴きまくる貧乏学生であった…。

 大学時代の友人は1カ月風呂に入らなくても平気な理系の研究者ばかりで、変拍子しか受け付けない体質になった松山君はクライアントとの飲み会でもカラオケの手拍子をつい7分の5拍子で打ってしまう…。

 DMCの大ヒットで、どっかの民放ドラマでパクリ企画でやりそうな…気はしませんね(爆)。
by しまうま (2008-09-15 22:29) 

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