SSブログ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破 [映画]

 *作品の中身に触れてますので、未見の方は注意して下さい。

 休日出勤をさくさくと終わらせ、話題作、見てきました。前作「序」から2年近くたってしまいました。で、見た感想ですが…。SF作品として見てる感想ですが、分かりやすい派手な場面が増えて、良い意味で普通のSFアニメ? に近付いたかな? みたいな印象かな。
 CGを駆使した戦闘シーンは細密な描写がとにかく凄いです。ただ、使徒にはそれぞれの天使名にちなんだ特殊能力や存在の意味みたいなものがあり、それを使って攻撃(人類と接触しようとする?)してくる設定が好きだったんですが、新劇場版はやたら光線みたいなやつを撃つ場面が多く、使徒によっては割とあっけなくやられちゃうし、存在感がちょっと薄くなった感じです。振り子時計みたいな形したのがマトリエル? 最初に出てきた鳥みたいなのは? とか。

 私はこの作品、人類の発生と次の段階への進化の過程を描いたものだと思ってます。人類は長い時間をかけて地球で最も進歩した知能を得ましたが、他の動物は同じだけ時間を生きてきたのに、どうして人類ほどは進歩していないんだろう? 知能や生物としての進歩や進化が時間で得られるものなら、地球上の生物がほぼ平等に姿や中身を変えていてもいいはずなのに。
 その謎解きを映画で見せた代表的な映画が「2001年宇宙の旅」。何かしらの存在(宇宙生命?)が人類に進化を与え、一定のレベルに達したところで次の段階へ導くために再び姿を現したのだろう、というお話。最近見た「ノウイング」もラストから勝手に推測すると、そんな映画だったような。

 作品を見ている限りの理解では、元々の人類の発生の起源となるものが、どこか(宇宙?)から現れ、完全な生命体が何らかの理由で不完全な今の人類の形になってしまった。だから、再び完全なものへ戻そうとする(自ら戻ろうとする?)…みたいなお話なんだろうか。完全な形のものが、ヒトの深層心理に「神」としてインプットされてるものだとすると、ヒトが文明を得て以来、どうして神様が存在するのか、みたいな問いへの答えも描かれるのかもしれません(ってそんな大げさな映画じゃないと思いますが)。

 映画では、最強の使徒ゼルエルとの闘いがラストの見せ場です。つうことは、テレビシリーズのお話のほぼ後半までこの2部で行ってしまったわけで、残り2作もあるのに、お話がもつのだろうか?
 前作の映画版では、エヴァンゲリオンが使徒をすべて倒し終えた後、突然、身内のはずの自衛隊が攻めてくる(攻めてくる理由は作品中では明確に説明されない)という展開になるんですけど、その辺もすっきりするんでしょうか。
 最強の使徒を倒した、ってことは、後は人類同士の闘いが続くのか? 「序」と「破」で派手な戦闘シーンで観客の目を奪っただけに、物語の展開で見る人を満足させられるのか? とかいろんな「?」が浮かびます。

 テレビ版見てないと、お話に全然ついて行けないと思うんですけど、公開からしばらくたってますが、劇場はほぼ満席。終わったら、出てきた人が、あらすじとか主要キャラの変更具合について、一斉に語り合い始めました。

nice!(1)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

アクション凄いけど…。『バビロンA.D.』 [映画]

 *映画のあらすじに触れてますので、未見の方は注意して下さい。

 春の異動以来、忙しくてなかなかブログ書く気が起きません…。特にここ数日、会社に泊まり込んだり何だかんだで、連続36時間も会社にいたりとかメチャクチャな激務だったんで、このストレスを解消するにはスカッとする映画ってことで行ってきました。上映はいつかのシブい手描き看板のある映画館。作品はヴィン・ディーゼル主演のSFです。ヴィン・ディーゼルは『プライベート・ライアン』のカパーゾ役で有名になりましたね。

 お話は…近未来の荒廃した地球。国際テロ犯として米国を追放されたトーロップ(ディーゼル)は東欧? のマフィアからある若い女を米国のニューヨークまで護衛する仕事を頼まれる。ヘリで車ごと空輸されたのは中央アジアの某国の山の中の修道院。そこで引き合わされた女をつけ狙う巨大宗教団体の女教祖とナゾの科学者。ニューヨークに到着すると、女を狙う団体との間で激しい銃撃戦が再び始まった…てな感じです。

  バビロンパンフ.jpg (パンフなかったんで、これは映画館でもらったチラシ)

 ヴィン・ディーゼルは最初、誰も信じない、弱者に情けをかけないニヒルな悪役風なんですけど、いつの間にかいい奴になってしまい、組織からつけ狙われる女のために命を懸けて闘うんですが、ラストでミサイルが飛んでくると、女が超能力? でそれを防いだり、実は女をつけ狙う教祖と科学者は女の……だったりと、何だか脚本が結構アバウトで破綻してる気がしてきました。

 ただ、アクションはノンストップで激しく、何故かトーロップの潜んでいる街には旧ソ連のT62? 戦車とか戦闘ヘリMi24ハインドが転がってたり、密入国の難民をカナダへ運ぶのは赤い星のマークの原子力潜水艦(シエラ級?)だったりと、B級アクション映画の雰囲気バリバリ。ハイテクな高速鉄道の内部は難民であふれ、途中で核戦争の廃墟の跡があったりとか、荒廃した近未来の荒んだ光景がCGなのかよくできてます。ちょっと『ブレードランナー』っぽい格好良さ。

 ヴィン・ディーゼルはガタイのいいごつい体を使ったアクションが売り物だと思うんですけど、格闘シーンとかは少なめで、ブレる画面と切り替えの早い場面展開とで、生身のアクションはちょっとこぢんまりした感じで、そこはちょっと残念だったかな。ミシェル・ヨーが護衛の尼さんの役でしたが、どうやらクンフーの使い手の設定になってて、結構強かったです。


 バビロン看板.jpg (映画館の看板。ディーゼルの顔はまあまあ似てます。B級っぽいアクション映画にはこういう雰囲気の映画館がぴったりです)

nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

事実は小説より奇なり。フロスト×ニクソン [映画]

 *映画のあらすじに触れてますので、未見の方はご注意下さい。

 理不尽な異動で不愉快な気分を変えられないこんな時は…スカッとするアクションとか幸せな気持ちになるロマンチックコメディか…と思ってたのに何故かこれを…。

 新聞の映画評で高得点で、確か「言葉のボクシング」って評されてました。元は舞台劇なんだそうで、ニクソンの役を舞台と同じフランク・ランジェラって俳優が演じてます。

   フロストニクソン.jpg (写真はパンフレット)

 お話は…民主党本部に盗聴器を仕掛けようとした男が逮捕されたウォーターゲート事件で失脚したリチャード・ニクソン大統領。コメディアン出身のイギリス人司会者デビッド・フロストはその会見中継が驚異的な視聴率をマークしたことを知り、根っからのテレビ屋として大統領へのインタビュー挑戦に心をかき立てられる。代理人を通じて高額の報酬と引き換えに単独インタビューを申し込むフロスト。一方、ニクソン側はニューヨークタイムズなどの辣腕政治記者ではなく、政治取材の経験の浅いフロストを相手に選んで意のままのインタビューを放送させ、政治家としてのダメージ回復を狙っていた…てな内容です。

 フロストは有能なジャーナリスト、政治研究者を仲間に入れ、事前調査でニクソンを追い込もうとします。しかし、老獪な政治家ニクソンは質問を巧みにかわし、得意な話題へ誘導したり、家族との感動的な話にすり替えたりして、全部で4回のインタビューのうち3回でフロストを圧倒。互いにボクシングのセコンド役みたいなアドバイザーがついていて、相手の(言葉の)パンチを一方的に受けてダウン寸前に追い込まれると休憩を入れたりして、息をつく間もない緊迫した場面が連続します。

 フロストはインタビューの報酬のために借金を重ね、資金繰りにも行き詰まる。レギュラー番組は打ち切りとなり、ニクソンの老獪な攻撃に攻め手も見出せず、いったんは勝ちをあきらめる。そんな時、フロストの宿泊先のホテルにニクソンから一本の電話が。「スポットライトを浴びるのはひとりだけだ。私は君にとってもっとも手ごわい敵になる」と語りかける。
 ニクソンは裕福な家の出ではなく、上流階級出身の仲間や政治家、役人からさげすまれ、それをバネにして闘ってきた。フロストもイギリスの名門大学に進みながら、コメディ番組の司会者として同じように上流階級出身の仲間やジャーナリストからさげすまれていた。
 ニクソンはフロストの身上調査書を読みながら語りかける。圧倒的に有利な立場にいながら、「俺は強いぞ。お前はこのままでは負けるぞ」と励ましているように見えた。似た境遇を生きてきて、やっとチャンスをつかもうとしているフロストに自分を投影したのだろうか。私はニクソンの人間味が出たいい場面だと思ったけど、パンフには単に「ニクソンの挑発」と書かれてました。
 完全に勝ちを諦めていたフロストはこのニクソンの電話で再び激しく闘志を燃やし始める。小さなヒントから調査を再開し、最終ラウンドの4回目のインタビューでついにニクソンをロープ際まで追い詰める。さて、ニクソンはウォーターゲート事件で犯した自身の過ちについて、テレビカメラの前で国民に謝罪の言葉を述べるのか…。

 ラストではつき物が落ちたように生気が失われ、巨大な力を持つ前大統領からただの孤独な老人になったニクソンの姿が映し出されます。狭い部屋でボクシングのように言葉をぶつけ合う最強の政治家から、深い孤独と後悔を背負った老人まで、顔そのものはニクソンに似てないんですが、フランク・ランジェラの演技でちゃんとニクソンに見えてくるから不思議です。

 映画の中では、ニクソンがダウン寸前、アドバイザー役の側近ジャック・ブレナンが止めに入りますが、パンフによると、事実はフロスト側が「このままじゃインタビュー映像が売り物にならない」とブレナンに泣きつき、インタビュー映像の売り上げの一部を受け取る契約になっていたニクソン側もカネが必要だったことから、ブレナンが「罪を認めるべきだ」とニクソンを説得したんだそうです。
 それを読むと、な~んだ、と思ってしまうのですが、民主主義の正義とかジャーナリズムとかの高尚な理屈ではなく、単にテレビ屋としての興味からニクソンという当時のアメリカ政治の最大の対象に狙いを定め、人生をかけて闘いを挑んでいくフロストの前向きな生き方を見て、ちょっと元気が出ました。

 ちなみにこれもパンフによると、ですが。この前、史上最悪の不支持率で辞めたブッシュさんは在任中に犯したさまざまな過ちについて、ぜ~~~んぜん後悔も反省もしてないし、微塵も罪の意識を感じておらず、最後のインタビューでもノーテンキな受け答えをしていたそうです。そう考えると、ニクソンって、やっぱいい人なんですよね。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

ちょっと想像と違ってた。『イエスマン YESは人生のパスワード』 [映画]

 *映画のあらすじに触れてますので、未見の方は注意して下さい。

 最近、ちょっと人生ネガに入ってる私にはぴったりの作品かな、と。ちょっと期待作でしたが…。

 お話は…銀行に勤めるカール・アレン(ジム・キャリー)は離婚をきっかけに人生が後ろ向きになり、あらゆることに「NO」といい続ける嫌味で消極的な性格になっていた。友達の結婚式パーティーの誘いには居留守を使い、気にかけてくれる知人の誘いもすべて「NO」。そんな時、ひょんなことから参加した自己啓発セミナー(?)で、「これから何を頼まれても必ずYESという」との課題を与えられる。セミナーの帰り、いきなり厚かましいホームレスの頼みにYESと答えて公園まで送る羽目になり、クルマはガス欠になり、災難に見舞われるが、スクーターに乗った風変わりな美女(ゾーイ・デシャネル)と知り合うことをきっかけに人生が少しずつ変わり始める…てな感じです。

 ハートウォーミングコメディーみたいなのを想像していたんですが、ギャグは所々でちょっとお下劣で、例によってジム・キャリーの超オーバーアクションのギャグがちょっとうっとうしい。消極的な人生を捨ててみたら、いろんな素晴らしいことが待ってるかもしれないよ、というメッセージは共感できるので、カールの内心の変化を真面目に描くとか、個々のエピソードをもう少し真面目なものにするとかしてたら、少しグッと来たかもしれません。
 エンドロールの真ん中あたりにおまけ映像あります。




 しかし…自分のことに置き換えると…。
 「しまうま君、ちょっとしんどい持ち場だけど君ならできる」「しまうま君、ちょっとしんどい出張だけど頼む」「しまうま君、この仕事は本当なら別の奴の担当なんだけど、今休んでるから頼む」「しまうま君、これは少し君に申し訳ないと思うけど…(以下略)…」

 てなわけで、あらゆることでYES言いまくってますけど、全然人生が好転しませんが、何か!? むしろ暗転していってる気が…。NOと言えたらどんなに気が楽か…。お前、アホやろ、と上司に言えたらどんなにスッキリするか…あっ、これは映画と関係ないか…。


 そんなわけで、ちょっとお下劣なギャグはあるものの、フツーのコメディとしてはまあまあ楽しめました。


nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

フランス版のプラトーン。『いのちの戦場-アルジェリア1959-』 [映画]

 *映画のあらすじに触れていますので、未見の方は注意して下さい。

 思ってたよりずっと重たくて、良い戦争映画でした。

 お話は…フランスのベトナム戦争とされるアルジェリア戦争が舞台。アルジェリアの独立革命に軍事介入したフランス軍部隊に派遣された若い人道主義者の中尉テリアン(ブノワ・マジメル)。部下が捕虜を拷問しようとすると止めさせ、上官の捕虜銃殺の命令を軍法会議覚悟で拒否する。そんなテリアンを「いずれ変わる」と突き放す上官は第二次世界大戦でドイツ軍に拷問された過去を持つ。
 テリアンが村人を部下の拷問から救った村は夜間に民族解放戦線に襲われ、皆殺しにされる。負傷の末、やっと除隊が認められた部下が解放戦線に目の前で惨殺される。やがて、女性に扮装した解放戦線の兵でさえ狙撃に慎重になり見逃そうとしていたテリアンが変わり始める。自ら拷問に手を下し、狂ったように敵を憎み始める。罪もない行商の女性を早まって射殺してしまう。皆殺しになった村で唯一生き残り、侵略者側とはいえテリアンを慕っていた少年の目にも憎しみの光が宿り始める…てな感じです。

  いのちの戦場.jpg (写真はパンフレット) 激重ですよ。落ち込んでる時に見ると、さらにずず~~んと…。

 待ってる間、ロビーに張り出されてる映画評のスクラップなどを読んでましたが、「月刊 軍事研究」とかミリ系の雑誌も。映画評によると、武器の時代考証などがよくできているとのことなので、戦争映画ファンにも納得の一本だと思います。

 戦闘シーンで印象に残るのは、ナパーム弾使用の場面。『地獄の黙示録』でもジャングルを焼き尽くすシーンありますが、この映画は実際にナパーム弾で人が焼かれたらどうなるか、というのを結構長く見せます。台詞で出てきますが、正規戦以外でナパーム弾使うのは違法(国際条約?)だかで、「特殊爆弾」と呼んでいます。いかに非人道的な兵器かということが分かる描写になってます。
 それと、『プライベート・ライアン』のオマハビーチ上陸シーンほか、いろんな戦争映画で出てくる旧ドイツの高性能機関銃MG42で解放戦線が反撃してくるシーン。凄まじい弾幕の中でフランス軍は一歩も動けなくなります。どのくらいの予算を使ってるのか分かりませんが、戦闘シーンのエグさと迫力はなかなかでした。

 『プラトーン』では、戦場でも良識を捨てまいとするエリアス(ウィレム・デフォー)と、戦争という現実を完全に受け入れているバーンズ(トム・ベレンジャー)が対立し、最後にクリス(チャーリー・シーン)が彼なりの正義を実行することでカタルシスが得られ、見てる方も少し救われた気分になるんですよね。
 この映画も、テリアンが現実の酷さに直面しながらも、何とか正気を保ち、何らかの形で狂気を浄化(?)して「救い」を与える映画かと思っていたんですが、ラストは皮肉に満ち、後味の悪い形で終わります。最後のシーンでテリアンは笑みを浮かべるんですが、それはもう帰る場所を失ったテリアンが罪を償ったことの安心感なのか、苦しみから逃れられたことの喜びなのか…。意味深なシーンです。

 プラトーンはベトナム戦争で米軍がやった非人道的な行為を描いたのに、ベトナム帰還兵から支持されたそうです。逆に帰還兵を被害者として描いた「タカ派」作品は支持されなかった。本当は間違っていたんじゃないか、と思ってるのに、自分たちは正しかった、と主張し続けるしんどさから解放してくれたんですね。
 フランスではアルジェリア戦争は長くタブーとされてきて、政府が正式にそれを認めたのはパンフによると1999年なんだそうです。劇中にも描写がありますが、アルジェリアは第二次大戦では(たぶん)アフリカ戦線で共にドイツと戦った仲間なんですね。で、この戦争の間もイスラム主義の民族解放戦線と敵対したり、家族を殺されたアルジェリア人がフランス軍に参加して、同胞同士で殺し合いをやったわけです。
 アルジェリア人はフランスに今もたくさんいるらしくて、サッカーで有名なジダンも元はアルジェリアの出身。前にジダンがサッカーの試合中に相手に頭突きした事件ありましたね。パンフによると、あれもこのフランスの植民地政策~独立紛争~独立後の混乱と人種差別~が遠因となっているそうです。

 そんな複雑な背景があり、しかも現在もしこりを残している問題。それも自分の国の残虐行為をえぐり出すような作品で、フランスではどんな風に受け止められたんでしょうか。ちょっと気になります。脚本はアルジェリア戦争を扱ったドキュメンタリー映画の監督さんが書いたそうで、かなり史実に忠実とか。
 映画の企画立案はテリアン役のブノワ・マジメルさんご本人なんだそう。結構なイケメン俳優だと思います。フィルモグラフィー見ると、ミラージュ戦闘機がひたすら飛び回ってる『ナイト・オブ・ザ・スカイ』という漫画みたいな映画に出てたの覚えてますが、かなりな硬派な俳優さんなんですね。

nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

続編…つくるの? 『DRAGONBALL EVOLUTION』 [映画]

 ちょっと気分転換に…スカッと何も考えなくていい映画を…。と思いましたが…。

 今日は何だか分かりませんが、映画館でどの作品見ても1000円の日でした。レイトショーで見たんですが、あの『パッセンジャーズ』が満席(えっ! いい映画だという評判が広まってるのか?…だとしたらナゾだ…)。ドラゴンボールは昨日からだし、こりゃ~チケット買えないな…と思ったら、何故かチケットがあり…。入ってみたら、半分くらいしか客席埋まってませんでした。

 え~お話は何故かアメリカで高校生やってる孫悟空が亀仙人と出会って、ピッコロ大魔王の地球破壊をブルマとか、これまた何故か高校生やってるチチと一緒に救う、というものです。巷で言われていることでしょうが、原作のドラゴンボールとは全然違う世界観で描かれています。

 チョウ・ユンファの亀仙人が原作のちょいスケベなおじいさんというより、セクハラなおっさんという感じでいい味出してますが、その他は何だか大学のサークルの作品のような…。CGは凄いですが…。田村英里子さんがピッコロ大魔王の手下の悪役をやってます。結構強いです。むか~し、実写版『北斗の拳』を映画館で見てしまった時のような、お尻がむずかゆいような、何だか恥ずかしいような落ち着かない気分にちょっとなるかもしれません。

 エンドロールで浜崎あゆみの歌が始まってもしばらく帰らない方がいいです。歌が終わった頃に、えっ! 続編あるのかな? というワンシーンがあります。しかし…。この完成度で続編つくるのか……? もの凄く分かりやすい映画なので、中学生とか高校生向けに作られているのかな? ……映画館はどうやら原作のファンっぽい20~30代ぐらいの男性の集団がチラホラいました。終わってから、熱く語り合ってましたね。

nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

癒し…かなぁ? 『パッセンジャーズ』 [映画]

 *映画のあらすじに触れてますので、未見の方は注意して下さい。

 関西テレビの『特ダネ』で評価が大きく分かれていたこの映画。小倉さんは駄目出しで、笠井アナは感動したって言ってたので、見てみました…。いわゆる「どんでん返し系」(映画ジャンルとして確立した?)の映画です。

 航空機の墜落事故で運よく生き残った乗客5人。そのカウンセリングを引き受ける精神科医のクレア(アン・ハサウェイ)。乗客の証言が微妙に食い違う。エンジンが爆発したという者、警報もなく突然墜落したという者…。その中に九死に一生を得たためなのか精神に変調を来たし躁状態になっている男エリック(パトリック・ウィルソン)がいた。不思議な言動を繰り返すエリックの治療を続けるうち、ひかれ始めるクレア。
 一方、生き残った乗客が事故の真相に迫る証言を始めた途端、次々に姿を消し始める。航空会社の男が常に乗客を監視している。不気味な男が尾行したりする出来事も。事故をパイロットの責任にしたい航空会社がエンジントラブルで起きた事故の真相を覆い隠そうとしているのか? 
ってドンデン系? の映画なので、ホントのあらすじは全然違ったお話です。















ホントにオチ知りたい?


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

渋いダニエル・クレイグ『ディファイアンス』 [映画]

 *映画のあらすじに触れてますので、未見の方は注意して下さい。

 人事異動とか会社の業績不振とかもろもろ…こんな時は癒し系の映画を…と思ったんですが、何故かまたヘビーな映画に…。

 お話は…第2次世界大戦下のポーランド。ナチス・ドイツの迫害を受け、多くのユダヤ人が隣国のベラルーシに避難してきていた。トゥヴィア(ダニエル・クレイグ)とズシュ(リーブ・シュライバー)の兄弟も両親を殺され、まだあどけなさが残る弟2人を連れてベラルーシの森の中に逃げてくる。やがて、森の中をさまようように逃げてきたユダヤ人避難民を保護するうち、どんどん人数は膨れ上がり、女性や老人を含めた小さな生活共同体が出来上がる。不足する食料、追跡の手を緩めないドイツ軍、避難民の間に噴出する不満…やがて避難民のキャンプを包囲したドイツ軍の大攻撃が始まろうとしていた。…てな重たい映画です。実話がベースになっているそう。

 アメリカの映画界ってユダヤ系の実力者が多いからなのか、ユダヤ人迫害をテーマにした名作は数多くありますし、昔は感動もしたんだけど、今、現在、ニュースで報じられるイスラエルを見てると、どうしても感動がすす~っとひいていく。そう、昔はひどい目に遭ったんだよね。差別されたんだよね。殺されたんだよね…と思いつつ、じゃあ何で今はあんなに無茶苦茶なことやって世界から非難を浴びて平気なんだろう…と思ってしまう。

 ただ、この映画は単にユダヤ人がこんなにひどい目に遭いました…というだけの話ではなかったです。いろんな人が集まって小さな共同体ができてくると、いろんな不平や個人の利害の主張をする人も出てくる。ルールを守らない人間も出てくる。ナチスに協力してユダヤ人の迫害に加担する同胞(ポーランド人?)もいる。トゥヴィアは結構早い段階で両親を殺した男に対する復讐を遂げますが、その結果を後悔する。「復讐はしない。我々が生き残ることが復讐になる」という台詞は良かった。捕虜で連れてこられたドイツ兵は集団でリンチされたり、暴力の応酬の醜さを多少描いてるような…気はします。

 農民から作物を略奪し、口封じのために殺害しても構わない、という急進派の弟ズシュは次第に兄(ダニエル・クレイグ)と意見が合わなくなり、袂を分かって遊撃中のロシア軍に参加するが、差別のない共産主義社会を目指すはずのロシア人もユダヤ人ということでさげすむ態度を取る。やがてドイツ軍の大攻勢を知ったロシア軍指揮官は敵に包囲された兄のキャンプを囮にして、自分たちは撤退しようとします。
 兄(クレイグ)は病人や老人、女性を大勢連れた苦難の逃避行で進退窮まり、正気を失いそうになりますが、両親を殺された時に泣いてばかりいた頼りない弟(どっかで見た顔だと思ってたら、『リトル・ダンサー』に出てたジェイミー・ベルでした)が今度は兄を励ます側になって立ち直る。ああ、やっと逃げられた、と思った瞬間、ドイツ軍の戦車の音が…。絶望感が支配するのですが、ここで意外な援軍が姿を現す…。

 というわけで、ラストは何とかかんとかハッピーエンドでした。

 最終的に兄弟が救ったユダヤ人は1200人に上り、森の中のキャンプには学校や診療所もあったそうです。実在の兄弟はアメリカに移住して運送業などで成功したとか字幕で出て来ます。
 ダニエル・クレイグが何でもできるスーパーマンの007から役どころを変えて、大勢の避難民を連れて逃げる責任感で悩んだり、苦しんだりする人間味のあるリーダー役で好演してて、シブいです。

 ちょっとおかしいな、と思ったのは、少数の男が機関銃とかの小火器しか持ってなくて、ほとんどが丸腰の老人や女性ばかりの避難民を掃討するのに、いくら優勢とはいえドイツ軍があれだけの過剰な装備(爆撃機とか戦車とか)を投入するかなというところかなあ。戦車もちょっとしょぼかった感じがしました。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

強烈な戦闘シーン。『戦場のレクイエム』 [映画]

 *映画のあらすじに触れてますので、未見の方は注意してください。

 いや~最近、ちょっと仕事でお疲れ気味で…。いろいろ人間関係とかも…。こんな時はちょっと心が温まるハートウォーミングなコメディとかロマンチックコメディを…見ようと思ったんですけど…何故か戦争映画に…。

 この映画、テレビで「プライベート・ライアンに匹敵する戦闘シーン」って言ってましたが、ホンマにそうでした。全部で3回、大きな戦闘シーンがありますけど、も~う砲の直撃を受けて体がちぎれた兵士からあっという間に体液が流れ出て死んでしまう、狙撃兵に頚動脈を撃たれて血を噴き出しながら死ぬ、戦車と闘おうとして火炎瓶を持ったまま撃たれて自爆して全身やけどで死ぬ…すごいリアリティです。

  レクイエム.jpg (写真はパンフレット)

 お話は…毛沢東率いる人民解放軍と蒋介石率いる国民党軍が激突する中国内戦。グー・ズー・ティ率いる連隊が国民党軍を包囲するも、罠にかかって仕掛け爆弾で痛烈な反撃を受ける。降伏した国民党軍を射殺するよう命じるグー。その責を問われ、とある炭鉱を陣地として国民党軍を迎え撃つ任務を与えられる。
 米軍の最新装備で固めた国民党軍の攻撃に対し、旧式の武器とたった48人の兵士で陣地を守るグー。撤退のラッパが聞こえたら炭鉱を放棄し、友軍と合流する手はずだが、国民党軍の波状攻撃に次々に仲間が死んでいく中、撤退のラッパがなかなか鳴らない。戦車砲の至近弾を受けて耳が聞こえなくなるグー。何度目かの激しい攻撃をしのいだ後、全身にやけどを負った部下が「ラッパが聞こえました…」と言い残して息を引き取る。このままでは全滅することは間違いない。撤退のラッパは果たして鳴っていたのか…。

 特撮には朝鮮戦争を描いた超ハードな戦争映画『ブラザーフッド』を撮った韓国のチームが協力したらしく、チープさを微塵も感じません。戦車詳しくないんですが、国民党軍との戦闘やグーが義勇兵として参加する朝鮮戦争に出てくるシャーマン(かな?)戦車が何となく市販のブルドーザーか何かを改造したっぽい雰囲気(キャタピラのところの走輪がスッカスカなので)で、『プライベート・ライアン』に出てきた模造のタイガー戦車(旧ソ連のT55戦車を改造したとか)ほどの恐ろしさがなかったことがちょっと気になったぐらい。

 あらすじもうまい。グーは懲罰房のような場所で、戦闘中に失禁したことを責められている元教師の兵士と知り合う。全然戦争に向いてないインテリで、最初は炭鉱の陣地で砲撃を受けて逃げまどうんですが、だんだんに兵士として一人前になっていく。他の兵士は文盲で、家族への手紙を書いても知らない字は飛ばして書いている。グーが元教師に「(死んだ兵士の)手紙の字を埋めてやれ」と言うシーンとか、最期にグーにお礼を言うシーンとか、ちょっとおっさんの涙腺が危うい。なんか「プライベート・ライアン」に似てる気もするが…。この元教師はアパムかな?

 政治や軍の機構も確立していなかった時代。グーが率いた部隊の名簿もなく、名誉の戦死と認められません。戦友のためにグーが戦後も手がかりを求めてさまよい、朝鮮戦争で知り合った軍幹部の手助けなどで最後は全員の名誉が回復される。
 全体を通して、戦争の凄まじさ、悲惨さは描かれてはいるんですが、国民党軍はにっくき敵として描かれる以上でも以下でもなく、同じ民族同士が殺しあったことの空しさや悲しみはあまり描かれない。まあ、中国と台湾の関係を考えたら、この辺がギリギリなのかもしれない。

 たぶん人民解放軍の協力で撮影してるんでしょうが、軍はちょっと官僚的な部分が描かれてますが、基本的にはいい人ばっかり。ラストで、全滅した戦友に勲章が送られる。「今の中国があるのはこんなに苦しい戦争を闘った世代がいたからなんだよ」ということが言いたいのかな。その辺もちょっと『プライベート・ライアン』に似てるかも。私はあの映画は大好きだし、反戦のメッセージを感じることができますが、アメリカでは保守的な層にも受け入れられたそうですし。

 とはいえ、この映画が中国ばんざ~い、人民解放軍ばんざ~いってだけの映画かと言うと、そうでもない気がします。愛国心が強い
中国国民に受け入れられる話にして、(実際にそんな干渉があるかどうか知りませんが)政府や軍の機嫌を損ねないようなバランスを保ちつつ、「戦争というものはこんなに空しいものなのだ」ということは伝わってくるので、ちゃんとした戦争映画になってると思います。劇中、グーが死んだ戦友を弔うために無名戦士の墓を参るのですが、名前も何もない木の墓標が何もない原っぱみたいな場所に見渡す限り並んでいる場面は胸に迫ります。

 ラストで、炭鉱の陣地を守って死んでいった戦友の墓の前で軍の偉いさんに任務終了を報告するグー。改めて撤退のラッパが吹かれ、正式に戦功を認められた戦友に勲章が送られます。めでたしめでたしのシーンですが、代表して勲章を受け取るグーには笑顔がありません。
 グー役の俳優さん、中国ではそんなに有名な人ではないそうですが、目力が凄く、なかなかの演技でした。


nice!(3)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

絶望感。『チェ 39歳別れの手紙』 [映画]

 *映画のあらすじにふれてますので、未見の方はご注意ください。

 ということで、パート2にあたる「別れの手紙」、見て来ました。
 「39歳別れの手紙」はキューバ革命成功後、ゲバラが南米ボリビアの革命に参加、政府軍に追い詰められ、処刑されるまで。前編の戦闘による勝利とか、国連での演説とかの胸のすくような活躍ぶりとは一転、今回はゲバラは見せ場らしい見せ場もなく、ひたすら山の中を逃げ回るシーンが続きます。
 一緒に闘ってる仲間にも絶望感が広がって、少しずつ統率も取れなくなって来ます。ゲバラたちによって救われるはずの農民の支持も得られず、ソ連の意向を受けたボリビア共産党からは支援を断られる。革命の南米拡散を恐れたアメリカがベトナム戦争を闘った特殊部隊の軍事顧問団を送り込み、物量に加えた組織的な戦闘を仕掛けられたゲバラたちの仲間は次々にむごたらしく殺されていく。

   39歳別れの手紙.jpg (写真はパンフレット)

 戦場にあっても、ゲバラたちは農民から略奪などはせず、金を払って作物を買おうとし、病気の子供の治療もしてやる。しかし、農民たちは軍事独裁政権の死の恐怖の締め付けに加え、「キューバ人がボリビアを侵略しようとしている」というデマ宣伝を信じてしまい、ゲバラたちの動きを密告する。動きが筒抜けになったゲバラたちは最後は大きな山の斜面のような場所に釘付けにされてしまい、周囲を大部隊で取り囲まれて逮捕され、小さな村で監禁されます。

 小屋の中で看守の若いボリビア兵士がゲバラに聞きます。「キューバにも神はいるのか? 共産主義者は神を信じないのではないか」。ゲバラは「キューバにも宗教(の自由)はある。私は(神でなく)人を信じている」と答えます。ゲバラを取り調べたボリビアの大佐も聞く。「農民はお前たちにつかなかった。嫌われていたのではないか」。ゲバラは「あるいはそうかもしれない。しかし、我々の失敗によって人々は目覚めるかもしれない」と反論します。

 ゲバラのごく少数の仲間以外は途中で離脱しそうになったり、こっそり仲間の食料をかすめたり、結構いい加減です。普通の人間とは弱いものだから、自分が楽できればいい、自分が安全ならその他のことはあまり関心がない、欲しいものがあったら自分だけ手に入れてしまいたい、自分勝手なものなんですね。人とは本来そんなものなんでしょうが、ゲバラは最期の時まで「信じる」と話している。
 その後の世界ではさまざまな国で独裁政権が倒れ、冷戦が終わり、ベルリンの壁が壊れ、南アフリカでは人種差別制度が廃止され、アメリカでは黒人の大統領が誕生した。案外、「人」の力も捨てたものではないのかもしれません。そう考えると、「人(の理性? 正義?)を信じる」というのは正しいのかもしれません。

 邦題のテーマでもある「手紙」ですけど、冒頭、カストロがキューバの党大会で自分宛のゲバラの手紙を読み上げましたけど、家族宛のものなどは劇中に出てきませんでした。有名な手紙なのかもしれませんが、家族宛のものも内容は感動的です。映画的に盛り上げるなら、観衆の涙を誘うためにこの手紙のくだりをどこかで入れそうなものですけど、そんなあざといことはしません。

 ラストもあっさりしていて、ためらいがちに小銃を構えるボリビアの若い兵士に向かって、「さあ、やれ」と言ったゲバラの視点にカメラが切り替わって、死の直前にゲバラが見たであろうボリビアの小さな村の土
だらけの床が映ります。その後、す~っと視線が空へ舞い上がるような映像になって、キューバへ渡る密航船の上で不安そうに仲間や海を見つめる若きゲバラの映像へ切り替わります。死の瞬間、革命のために海を渡った仲間や当時の自分に思いをはせた、ということだろうか。

 エンドロールはスペイン語らしい物悲しい短い曲が終わると、その後はかなり長い時間ず~~っと無音です。真っ黒のバックの上を延々と出演者や関係者の名前が流れていくだけ。これも通常の映画なら、最後まで何か曲が流れている部分だと思いますが、そうではない。勝手な推測ですが、大国の思惑でゲバラを殺すことに手を貸したアメリカを含む当時の国際社会や政治への抗議の意味を込めているのかな? などと思いました。


nice!(3)  コメント(12)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。