スタバは好きですか? 『おいしいコーヒーの真実』 [映画]
*映画の内容に触れてますので、未見の方は注意して下さい。
やっとこさ、人さまにちょっと遅れてお盆? 休みです。というか、今のところ1日だけですが…。どっか旅行でも行きたいなぁ…。
こんな時はやっぱり映画館に寄ってしまいました。この映画もちょっと期待作だったかな。お話は簡単に言うと、エチオピアではコーヒー豆農家が多国籍企業の商社に豆を安く買い叩かれ、その結果、コーヒー豆農家の所得は上がらず、子供が病気になっても医者に診てもらうこともできず、学校などの社会基盤もなかなか作れない。そんな犠牲の上で、先進国の私たちはスターバックスをはじめとする街のカフェで安くておいしいコーヒーを飲めるんですよ、ということのようです。
(映画のチラシ)
詳しいことは知らないので、映画の内容によるだけなんですが、多国籍企業の4つのコーヒー豆商社が世界のコーヒー豆の価格を支配している。映画の中で象徴的に取り上げられるスターバックスもその会社から豆を仕入れている。価格はニューヨークの先物市場での取引で決められる。
産地と消費者の間には6段階の仲卸会社が入っていて、膨大な手数料が上乗せされる。その上、買い取り側の商社が価格を支配しているので、産地からの買い取り価格が下がっても、農家はほかに売るところがなく、不当な安い価格でも豆を売るしかない。
そこで、この映画に出てくる、エチオピアの農業団体の代表の男性が独自に販売ルートを開拓し、中間搾取を避けて豆を高く売り、その利益で地域に学校や社会基盤施設を作ろうとする運動を始めている-ということが描かれてます。
ただ、映画は実はちょっと退屈でした。確かにエチオピアの貧しい農家の生活ぶりは悲惨で、豆価格の暴落でコーヒー栽培を見限り、麻薬栽培に手を出す農家が増えたりと、今のままではいけないんだろうな、というのは分かる。でも、映画の中では、肝心の4つの独占企業や、取引に入り込んで利益を取っている仲卸会社のことは具体的に描かれておらず(「取材に応じなかった」とラストに字幕が出る)、どういう仕組みでそんなことになっているのかがよく見えてこないのです。
ここら辺は、マイケル・ムーア監督あたりだと、「ここがこうなってて、こいつが悪い」としっかり犯人探しをやるので、手法にはいろいろ批判があってもスッキリするところです。
この映画では最後に解決策として、その団体やいろんな途上国産品で進めている「フェアトレード商品」というのを紹介していて、それをみんなが買うようになれば発展途上国の問題はかなり解決される、と示されます。フェアトレード商品とは、発展途上国からの農産物を適正な価格で購入することで、その国の生活向上を目指すものだそうです。
一緒にもらったチラシにフェアトレード商品の一覧が載っていて、扱い企業の中に、この映画で槍玉に上げられているスターバックスも入ってました。伊勢丹とかイオン、西友も1品目だけど載ってました。ちょっとずつメジャーになってるのかな。
(フェアトレードのマーク)
映画の中で、WTO会議での発展途上国への不当な扱いも取り上げられているんですが、映画を見る限り、国内の農業補助金と関税で発展途上国からの安い農産物輸入を防ぎたい欧米と、安い農産物を輸出したい途上国との対立が問題のよう。だとしたら、コーヒー豆の場合は多国籍企業に価格を支配されているとはいえ、輸出先の保護政策で売れないわけではないのだから、ちょっと問題が違うのでは? と思いながら見てました。まあ、途上国が先進国の食い物にされている、ということが描きたかったのかもしれませんが。説明不足な感じといい、分かりやすくするためなんだろうけど、ちょっとちぐはぐな印象を受けました。
てなわけで、フェアトレードマークの入ったコーヒー豆で入れたコーヒーをみんなで飲めば問題は解決するんでしょうが、スタバのコーヒーがそれでドンと高くなったら、やっぱりお客さんは減るでしょう。そしたら、コーヒー豆は売れなくなるんじゃないのかなあと思うんですが。チラシにもスタバのデザインをモチーフにしたらしいカップのイラストが使われているし、映画の中でも、昇格したばかりで張り切ってる女性のスタバ店長のインタビュー(たぶん映画の趣旨を知らせないで撮ってる感じ。エンドロールで「スターバックスは取材に応じなかった」と字幕が出る)が出たりと、何かと槍玉に上げられているんですが、ことコーヒー豆の価格のダンピングという問題に関しては、スタバはそんなに悪いことしてないのでは? と思ってしまいました。
ただ、もしスターバックスが「わが社は発展途上国のコーヒー豆農家の生活向上に協力するために、全面的にフェアトレード商品に切り替える」と宣言したら、ぐっと企業イメージが上がるでしょう。もちろん、コーヒーも値上がりするでしょうが。それでも、それを買う消費者側がそれを知っていれば、一定の人々はそれを受け入れるでしょう。この映画の狙いはその辺なのかもしれません。
そんなわけで、ちょっと宣伝臭? がするものの、「フェアトレード商品」というものの存在を教えてくれた映画でした。
そういう私はスポーツ新聞と漫画とカレーライス(もしくはピラフ、ナポリタンスパゲティ)という喫茶店「三種の神器」がスタバにはないので、あんまり行きませんが…。フェアトレードカレーライスがあったら、ばしばし食いますけども…。
なんだ~東京来ればいいのに。案内してあげるよ!(爆)
by まる (2008-08-19 21:03)
rararinndouさん nice!ありがとうございます。
by しまうま (2008-08-20 00:07)
まるさん
そうですね~。まとまった休みが取れたら…。あの枯れ草とかの丸まったやつがからっ風でコロコロコロ~って転がってるようなひと気のない田舎の街…。小さな港には寂れた漁船が…。見渡す海には太平洋の冷たく激しい荒波が…。
缶コーヒーを片手にシブく海を見つめる私…。
例えると、「木枯らし紋次郎」(古い?)みたいな旅? がいいっす。東京はちょっと人が多すぎですね。寂れてないし。…別に何か人生に悩んでるわけではありませんよ…。
by しまうま (2008-08-20 00:16)
フェアトレードの勉強中です。
>ただ、もしスターバックスが「わが社は発展途上国のコーヒー豆農家の生活向上に協力するために、全面的にフェアトレード商品に切り替える」と宣言したら、ぐっと企業イメージが上がるでしょう。
夢のようなお話。企業イメージも上がるでしょうし、「そもそもフェアトレードって何?」という消費者が増えて、フェアトレード商品の普及にも繋がりそうですね。
>そういう私はスポーツ新聞と漫画とカレーライス(もしくはピラフ、ナポリタンスパゲティ)という喫茶店「三種の神器」がスタバにはないので、あんまり行きませんが…。
昔ながらの喫茶店、必要ですよね。しかし、最近閉店するお店が多く寂しい限りです。
by ETCマンツーマン英会話 (2014-08-05 19:45)
ETCマンツーマン英会話さん
こんな開店休業中のブログにコメントありがとうございます。この映画、英語の勉強になるような作品だったんですね。
フェアトレードについては私も詳しくは理解していないんですが、スタバの店頭にはたまにこのマークの商品が並んでいるのを見たことがあります。少しずつ理解が広まっていけばいいですね。
by しまうま (2014-08-05 20:09)
しまうまさん、お返事ありがとうございました。
スタバのフェアトレードコーヒーいいですね。
先日、知人の会社がフェアトレード認証を所得するために、フェアトレードの教会に推薦状を書かせていただく機会がありました。
フェアトレードの商品が日本でももっと増えて行くといいですね。
by ETCマンツーマン英会話 (2014-08-28 20:33)
ETCマンツーマン英会話さん
映画を使った英会話学習も楽しそうでいいですね。
by しまうま (2014-08-29 12:38)
しまうまさん
>映画を使った英会話学習も楽しそうでいいですね。
そうですね。シリーズもののドラマをお勧めです。
気に入ったドラマ・シリーズに出会えると、次から次へと新しいエピソードが紹介されて、英語教材には困ることがなくなるので。(^-^)/
こやって考えると出会いって大切なんですね。
by ETCマンツーマン英会話 (2014-09-05 14:17)
ETCマンツーマン英会話さん
完全にはまってしまって、シーズン5くらいまで全部買っちゃった「ザ・ホワイトハウス」って連続ドラマがあるんですが、何かの記事で、このドラマの英語はかなり教養が高い人の会話を再現しているって聞いたことありますね。見ている方はドラマが面白ければそれでいいんですけど。
by しまうま (2014-09-10 16:55)