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SR-71ブラックバードvsミグ3兄弟 [小説・本]

 *小説の内容に触れてますので、未読の方は注意して下さい。

『ロシア軍殺戮指令 上・下』 ジェイムズ・バリントン(二見文庫)

 一〇五三時、ポール・ジェイムズ大尉はミコヤン・グレビッチ・ミグ-25、通称フォックスバットを確認した。「火器管制レーダー…フォックスファイアです。全ECM作動」…(中略)…「搭載火器は?」「おそらくAA-9とAA-10ミサイル。それに30ミリキャノン。ミサイルは撃ちっぱなしです」(上巻p42-43)

 つうことで、上巻、冒頭、ロシア上空をマッハ3で偵察飛行するSR-71ブラックバードをミグのフォックスバット、フォックスハウンド、フルクラムの3兄弟で迎え撃つ場面があり、結構迫力あるんですが、それ以降はもっぱら旧KGBのSVR工作員と、イギリスの秘密工作員との暗闘がメインのスパイ小説になります。空中戦やら兵器同士の闘いがメインのハイテク軍事サスペンスが好きな人には物足りないかも。

 簡単なあらすじは、ロシアの守旧派の軍幹部が暴走、クレムリンの目を盗んでひそかにアルカイダと手を組み、新型中性子爆弾を使ってアメリカをけん制しながら、ヨーロッパ全域の覇権を実現する秘密作戦を実行する。その作戦内容は「そりゃちょっと無理があるだろ」という荒唐無稽なものですが、それを無視して読めば、小さな手がかりからイギリス工作員が核やその起爆操作を行う人物を突き止め、イギリス軍特殊部隊と一緒に悪だくみを阻止するスリリングな展開。

 作者がイギリス人だからなのか、スペツナズ(ロシア軍特殊部隊)とSAS(イギリス軍特殊部隊)の戦闘では、圧倒的なSASの勝ちで終わってしまいます。そうかな~スペツナズも結構強いんじゃないかな。

 主人公にあたるイギリス工作員は悪い奴は情け容赦なく拷問も殺害もするし、超「勧善懲悪」なお話です。筆者は元イギリス軍パイロットで秘密作戦に従事した軍人らしく、作者名はペンネームだそうです。スパイ同士の闘いの描き方とか、冒頭の空中戦、アメリカ、ロシア、イギリス、ちょこっとだけ出てくるフランス各国の情報部門の描き方などなかなか迫力あります。

 ただ、その肝心の核兵器を使ったロシアの作戦が…。「そんなことできるのかな~」って内容で。スパイ物の好きな方はすいすい読めるかもしれません。


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